原木栽培椎茸に使用されている原木は、産地地域毎の気候および栽培に適した広葉樹(クヌギ・コナラ等)が造林されています。これらの原木は萌芽更新(ほうがこうしん)により、根株から新たな芽が萌芽し再生を繰り返す為、伐採を行なっても20~30年周期で栽培に適した大きさに育つため永続的な資源となっています。また、原木乾椎茸は原木を森林から切り出し植菌を行い椎茸が発生するまで、約2年の歳月を必要とする為、今年の春に発生する原木椎茸に使用されている原木は、約2年前に森林から伐採された原木となります。
また、原木乾椎茸の主産地である大分県では、生産量がもっとも増えた昭和58~60年頃に造林された原木が成長し栽培に適した原木が豊富にある為、他県からの調達は無く近隣県に原木を供給している状態です。
『原木供給』
乾しいたけの原木伏込量は、昭和58年の215,944㎥をピークに減少傾向で推移していたが、平成9年からは原木供給事業(平成16年終了)の効果で増加した。平成11年~13年の乾しいたけ価格の低迷により平成12~14年に再び減少。全般に生産者の高齢化で微減傾向ながら100千m3前後で推移している。原木入手状況は、自家原木50%、購入原木50%となっている。また、原木林の成長は167千m3(くぬぎ・なら)であり伏込量を大きく上回っている。地区別の伏込量は主産地の豊肥・西部地区地域が多い。原木(くぬぎ)の価格は、昭和56年では1m3当たり庭先価格が25,800円であった。昭和57・58年は乾しいたけ価格の上昇により伏込量が多くなった関係でやや高くなったが、昭和61年の24,200円から年々安くなり、平成12年からは17,500円程度で推移している。
大分県林産振興室作成『特用林産物の生産の現状 平成22年度』10~11pより抜粋