◆乾椎茸のうま味成分が生成される仕組み

 

1.『うま味成分(グアニル酸)』の元である『リボ核酸(RNA)』を増やす

乾椎茸の水戻しを行なうと、細胞壁の中にある『リボ核酸(RNA)』が椎茸と戻し汁の中に抽出されます。抽出量がもっとも増える水温は5度近辺なので、冷蔵庫に入れて5時間程戻すと旨み成分の元が増え加熱後に『グアニル酸』が4倍以上、重量は6倍以上にふっくら戻ります。

 

※常温で長時間(24時間以上)戻すと苦みのある疎水性アミノ酸の割合が増える傾向があります。

 

2.『リボ核酸(RNA)』を加熱する事で『グアニル酸』に変える

増えた『リボ核酸』を60~80度で20分程加熱すると『リボ核酸分解酵素』が働き、旨み成分である『グアニル酸』に変わります。この時に45度~60度の温度帯は『ヌクレオチド分解酵素』が働き、増えた『グアニル酸』を『グアノシン』変えてしまいますので、できる限りこの温度帯を早く通過させる事が重要ですが、80度以上になると『リボ核酸分解酵素』も失活してしまう為、最初強火で加熱して乾椎茸から気泡が出始めたら弱火にすると丁度良い温度帯になります。

 

尚、生しいたけでは細胞壁壊れていない為、リボ核酸が抽出されにくい事から旨み成分であるグアニル酸の生成量が非常に少なくなります。


たけおのまとめ
たけおのまとめ

生椎茸はグアニル酸が少なく、乾椎茸を低温(5度)で5時間程水戻し後に、椎茸と戻し汁を、強火に掛け60度以上(目安は椎茸から気泡が出始めた頃)に加熱後、弱火で80度以上にならないように20分程煮含めると、うま味成分であるグアニル酸が増えやすくなるってことだね。

参考文献『シイタケ中のグアニル酸に関する研究』より
参考文献『シイタケ中のグアニル酸に関する研究』より

※乾椎茸の厚みや大きさにより違いがあります。
※乾椎茸の厚みや大きさにより違いがあります。